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車とバイクの交通事故を弁護士に相談した過失割合の事例№2

車とバイクの交通事故を弁護士に相談した過失割合の事例№2

※一般の方でも読み易くするため、修正を入れています。

※原文を詳細にお読みになる場合、判例検索で閲覧下さい。

東京地判平成22年11月10日の判例(判例秘書)

交通事故を弁護士に相談した過失割合:バイク「自動二輪車」(A)20%・車(B)80%

交通事故の状況

事故が発生した交差点の現場は、南北に走る道路(以下「南北道路」といいます。)と東西に走る道路(以下「東西道路」といいます。)との交差点で事故が発生しました。

南北道路の幅員は4.1メートル(両側の路側帯を含めると5.7メートル)で、東西道路の幅員は3.7メートル(両側路側帯を含めると6メートル)です。

なお、南北道路の東側には川が流れ、交差点の東西道路東側入口は橋の上になっています。

いずれの道路も車線の区分はされていなく、最高速度の規制はないものの東西道路の交差点入口には一時停止の規制表示がありました。

南北道路の東側(川沿い)には、高さ1.32メートルのフェンスが設置されており、また、橋の欄干は高さ1.33メートルです。

事故が発生した交差点近くにおける南北道路南側から東西道路東側への見通しも東西道路東側から南北道路南側への見通しも、交差道路を通行する普通乗用自動車は、自動車の屋根が見える程度で、バイク「自動二輪車」は首から上が見える程度です。

さらに、歩行者は胸から上が見える程度です。

したがって、南北道路南側から東西道路東側の見通しも、東西道路東側から南北道路南側の見通しもそれほど良いわけではありません。

Aはバイク「自動二輪車」で、午後3時35分頃に南北道路を南から交通事故が発生した交差点に向かって時速20キロメートルから25キロメートルの速度で走行していて、交差点にさしかかった際に、東西道路東側(バイクから見て右方)からBが運転する自動車が走行してくるのを発見し、Aは若干速度を落として交差点に進入しました。

他方Bは、自動車を運転して東西道路を東から交差点に向かって走行していて、交差点の手前で一時停止して、左右の確認もして、さらには、交差点の北西角に設置されたカーブミラーを見たところ南北道路を走行してくるバイクや車両等を確認できなかったため、アクセルを少し踏んで、時速5キロメートルないし10キロメートル程度まで速度を上げて交差点に進入しました。

またBは、交差点に進入しながらも南北道路の右方(北)を確認して、さらに左方(南)を確認しようとしたところ、南北道路の左方(南)から走行してきたAが運転するバイク「自動二輪車」をBから5メートルまで接近している事を認め(停止線から2.4メートル進行した地点)、Bはブレーキをかけましたが(Aのバイク「自動二輪車」が間近に迫っていることに驚き、それほど強くブレーキを踏めたわけではありません)、間に合わずBが運転する自動車の前面右寄りをAのバイクの右側面と衝突させました。

衝突後Aは、約19メートル程度走行して停止しましたが、停止するまで交差点の北西角に設置されたカーブミラーにぶつかり、さらには路側帯を走行しています。

他方Bは、ブレーキをかけた地点から3.6メートル進行した地点で停止しました。

交通事故の過失

事実関係から信号機の無い交差点の事故は、交差点におけるBが運転する自動車(普通乗用車)とAが運転するバイク「自動二輪車」との出合い頭の事故であるところ、Bは交差点に進入直後にAと衝突したということは、そもそも交差点の近くをAが走行していたことは明らかで、交差道路の交通状況の確認が不十分であったとする過失はありますが、他方でAは、Bが運転する自動車の存在に気が付いていたにもかかわらず、その動静に対する注意が不十分であった過失があるというべきです。

また、交通事故が発生した交差点は見通しが極めて悪いことからすると、Bが運転する自動車が頭出しをして交差道路の交通状況を確認するといった措置を講じることは当然として、交差点に進入しながら交差道路の交通状況を確認しているので、運転方法として適切とはいえません。

※交差点に進入しながらの確認がダメだと言うことです。

なおBは、尋問において道路の中程まで進出しないと交差道路の状況を把握できないと供述しましたが、少なくともBが運転する自動車の運転席は交通事故が発生した交差点に入る程度まで進行ずれば交差道路の状況は把握できると考えられますし、南北道路の幅員は5.7メートルであり、その状態でBが運転する自動車が道路の真ん中まで進出するわけではないことは明らかです)、Aが運転するバイクは事故直前には時速5キロメートルないし10キロメートル前後にまで速度を上げていますが、時速10キロメートルまで速度を上げたとすると、徐行としてはやや速度が速く、交差道路の安全確認が十分にできていないにもかかわらずここまで速度を上げるのは、こちらも不適切です。

ポイント

事故が発生してから停止するまで3.6メートルを要しているのはブレーキのかけ遅れがあると考えられることといった事情を考慮すれば、AとBの過失割合は、Aが20パーセント、Bが80パーセントとするのが相当です。

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東京地判平成23年9月20日の判例(自保ジャーナル1860号107頁)

交通事故を弁護士に相談した過失割合:バイク「自動二輪車」(A)20%・車(B)80%

交通事故の状況

交通事故が発生した交差点は、T字路の信号機の無い交差点で、北東から南西に向かう幅員約3.9メートルと、幅員約5.7メートルの道路で、南東から北西に向かう下り勾配の道路とが交差する信号機による交通整理が行われていない交差点です。

南東から北西に向かう下り勾配の道路は、T字路交差点より先は金網フェンスが設置され通行ができなくなっていたため、事実上T字路になっています。

交差点の東角には、高さ約2.4メートルの住宅のブロック擁壁があり、交差点から左方向と、交差点から右折する場合の右方向の視界は悪くなっています。

なお、事故が発生した交差点の西角には、視界を確認するために、カーブミラーが設置されています。

交通事故の過失

Aは、バイク通勤のために交差点を毎日通行しています。

Bは、交差点を南東から北東に右折するに当たり、右方向の安全を確認しないまま時速約5キロメートルで、Bは自動車の右側が交差点の白線である外側線に触れるほどの早回り(内回りや小回り)右折をしており、他方のAは、事故が発生した交差点を直進するに当たり減速はしたものの時速約30キロメートルで、交差点に進入したため交差点内において、Bが運転する自動車の右前部とAが運転するバイク「自動二輪車」の前部が出合い頭に衝突しました。

ポイント

交通事故の状況からBは、交差点の右方向の視界が悪いにもかかわらず、その確認を怠り、交差点の中心に近い内側を徐行すべき義務に反して、早回り(内回りや小回り)右折をした過失があります。

他方のAは、左方向の視界が悪いにもかかわらず、十分に減速しなかった過失があるものというべきです。

AとBの過失割合は、交通事故の状況等に照らして、Aが運転するバイク20パーセント、Bが運転する自動車80パーセントとするのが相当です。

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東京地判平成23年11月9日の判例(自保ジャーナル1865号143頁)

交通事故を弁護士に相談した過失割合:バイク「自動二輪車」(A)20%・車(B)80%

交通事故の状況

信号機により交通整理されている交差点で、北東方面と南西方面に通じる道路と、南東方面から北西方面から接続する道路で信号機による交通整理が行われています。

る変形十字路交差点である。

北西方面からの道路は交差点方向に向かう一方通行路であり、交差点で一方通行路の出口となっています。

南西道路には、歩車道が区別されており最高速度が時速40キロメートルと指定された道路であり、車道部分は白色実線(二重線)で標示された中央線(幅50センチメートル)により区分されています。

交差点の南西方面側においては、南西道路方面から北東道路方面に向かう車道の第1車線の幅員が3.6メートル、右折専用車線である第2車線の幅員が3.1メートル、対向車線である南西方面へ向かう車線の幅員は4.4メートルです。

他方、交差点の北東方面側においては、北東方面から南西方面に向かう車道の第1車線の幅員は3.5メートル、第2車線の幅員は3.5メートルであり、対向車線である北東方面へ向かう車線の幅員は4.4メートルです。

交通事故の認定事実によれば、事故発生直後の警察による実況見分の際に、Aのバイク「自動二輪車」が走行してきた側から衝突地点まで5.5メートルの擦過痕(さっかこん=ブレーキ痕等)が認められたほかに、衝突地点からAのバイクは進路後方に押し戻された際に生じたと認められる道路面のえぐり痕が確認されたのであるから、Aの供述は客観的な痕跡と符合しないものです。

さらにAは、本人尋問の際に、Aが運転するバイク「自動二輪車」がBが運転する自動車と衝突して、A自身もBの車に衝突したと供述しましたが、A供述を前提とした場合はBの車の前部正面付近にAが衝突した痕跡が残っているべきでありますが、実況見分の際にはBの車の前部バンパーの左端付近に凹損等が確認されたのみでした。

Bの車の前部に他の損傷は見当たらなかったのであるから、この点についてもAの供述はBの車の損傷状況とも符合しないものです。

したがって、Aが転倒せずにBの車に衝突したというAの供述は採用できません。

他方のBは、捜査段階から一貫してAのバイクが衝突前に転倒し、滑走してBが運転する自動車と衝突した旨を述べており、その供述内容に特段不自然な点は見あたりません。

交通事故の過失

事故の状況等からBの車が交差点手前の右折専用車線(第2車線)において、右折待ちのため一旦停止後に前車に続いて発進しており、時速約10キロメートルで右折進行しようとしたところ、Bは左後方から走行してきたクレーン車に気をとられ対向直進車の有無及びその安全確認が不十分なまま漫然と右折進行したことから、対面信号機の青色灯火表示に従い時速約30キロメートルで対向直進してきたAとAが乗るバイク「自動二輪車」もろとも路上に転倒させて、滑走させた上に、Bの車左前部に衝突させたものと認められます。

状況等の認定を前提に交通事故におけるA及びBの過失の程度については、事故はBが信号機による交通整理のされている交差点を青信号に従い右折進行するにあたり、第l車線を後方から接近するクレーン車の動静や右折先道路の状況に気をとられて、前方の左右を注視せずに、対向車線を走行するバイク等の車両の有無及びその安全確認不十分なまま漫然と右折進行したところ、対向車線を青信号に従い直進走行してきたAとAが乗るバイク「自動二輪車」を転倒させて、滑走させ衝突したという態様であることからすれば、交通事故の主要な原因は、対向する直進車両の有無及び安全確認が不十分なまま右折したBにあることは明らかです。

ポイント

他方のAも進路前方に右折しようと完全に停止せず徐行しているBが運転する自動車を認めていたにもかかわらず、Bが運転する自動車がいったん停止すると軽信して進路の修正等を行うことなく漫然と走行した結果が事故に至ったのであるから,応分の過失相殺は免れません。

事情を総合考慮すれば、交通事故の過失割合はAが20パーセント、Bが80パーセントと認めるのが相当です。

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交通事故を弁護士に相談した過失割合:バイク「自動二輪車」(A)30%・車(B)70%

交通事故の状況

交通事故が発生した交差点の状況ですが、信号機の有る十字路交差点の北車線を走行していたBが運転する自動車が、南第2車線から進行してくるAのバイク「自動二輪車」の有無を十分に確認せずに、交差路を南方面に進行するため交差点を右折したところ(Bが右折の方向指示器を出していなかったといえるか争いがあり、Bは捜査段階から一貫して右折の方向指示器を出したとしており、B及びCの捜査段階の供述及び証言では、Bが右折の方向指示器を出していなかったとまで認められていません。また、接触事故が発生した衝突地点及び右折時のBの車の速度に照らせば、Bの車の右折が早回り(内回りや小回り)・直近右折であったとはいえません)、南第2車線を相当な高速度で直進してきたAが運転するバイク「自動二輪車」が、前方に右折してくる被告車を発見して、衝突を避けるべくブレーキをかけた(捜査段階の供述)が間に合わず、衝突地点においてAが運転するバイクの前方がBが運転する自動車の左後輪部分を含む後部に衝突したものであると認めるのが相当です。

交通事故の過失

事故の状況からBは、交差点を右折する際に直進車両の進行妨害をしてはならない(道路交通法37条の2)義務があるにもかかわらずその義務に反して、直進車両の有無を十分確認せずに右折しており、自賠法3条及び民法709条に基づき損害賠償責任を負うというべきです。

一方のAも最高速度を遵守して進行すべきであり、また、交差点を通行する際には反対方向から進行してきて右折する車両に注意して、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない(道路交通法36条4項)にもかかわらず、それらを怠っていたといわざるを得ません。

ポイント

そして、交通事故が右折の普通乗用車と対向直進するバイク「自動二輪車」の衝突事故である(標準的な過失割合は85対15といわれています)ところ、Bが運転する自動車が交差点を時速15から20kmの低速で右折中の相当速度超過をしたAが運転するバイクがBが運転する自動車の左後部に衝突したという事故状況並びにBの過失及びAの過失を総合して検討すると、事故についての過失割合は、Bが70パーセント、Aが30パーセントと認めるのが相当です。

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kentaro

法律事務所で様々な交通事故の後遺症損害賠償案件に携わってきた経験あり。数々の損害賠償示談交渉、訴訟を前提にした相談・事件処理の裏事情に詳しいため、交通事故に強い弁護士を選ぶ見識力は他のサイトの追随を許さないと自負している。

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