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車と歩行者の交通事故で弁護士が介入した過失割合の事例№2

車と歩行者の交通事故で弁護士が介入した過失割合の事例№2

※一般の方でも読み易くするため、修正を入れています。

※原文を詳細にお読みになる場合、判例検索で閲覧下さい。

東京地判平成19年5月16日の判例(判例秘書)

交通事故に弁護士が介入した過失割合:歩行者(A)10%・車(B)90%

 

 

交通事故の状況

歩行者に10パーセントの過失が認められたこの交通事故は、Bが事故の発生したT字路交差点を右折するに際に、一時停止はしたものの左前方の歩行者に気を取られて、右前方の安全確認を怠ったまま右折進行したため、右前方から徒歩で進行してきたAに気が付かないまま衝突したT字路における交通事故であり、Aの安全確認を怠った過失が交通事故の主たる原因であるというべきです。

しかしながら、Aにも事故が発生したT字路交差点において、道路を直進して一時停止規制のある道路を横断するに際して、交差する道路であるので、十分に交通の安全を確認して進行すべき注意義務があります。

また、Aは道路の左寄りを歩行中(歩道の設置がされていない道路)であったとはいえ、歩道上を歩行していたものではなかったのですから、走行する自動車等の車両の有無及びその動静を注視して、安全を確認して歩行すべき注意義務があるというべきです。

ところがAは、Bが運転する自動車の動静に事故の直前まで気付かなかったのであり、Bが運転する自動車が右折してきたのかそれとも直進してきたのかも分からないままBが運転する自動車に衝突していること(A本人からの供述)からすると、Bが運転する自動車の有無ないしは動静に対する注意を怠った過失があるといわざるを得ません。

交通事故の過失

過失割合については、Aの過失内容は「自動車の有無ないしは動静に対する注意を怠った過失」のとおりであること、Bが運転する自動車が進行してきた道路に一時停止規制はされており、Bは一時停止をしていること、Aは進行方向に向かって左側の車道上を歩行していたこと、またBはT字路交差点で右折するに際して、右前方のAの存在に全く気が付かないまま衝突しています。

他方で、Aも衝突直前までBの運転する自動車に気が付いていないこと等を考慮すると、Aが10パーセント、Bが90パーセントと解するのが相当です。

ポイント

歩行者に過失が認められた交通事故ですが、歩行者でも前方不注視は大きく問題視されますし、また自転車事故も近年高額賠償となる傾向にあります。

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東京地判平成23年1月12日の判例(判例秘書)

交通事故に弁護士が介入した過失割合:歩行者(A)15%・車(B)85%

 

 

交通事故の状況

事故が発生した現場は、南北に走る道路と交差する東西の道路との十字路交差点ですが、横断歩道はなく 信号機による交通整理も行われていない、信号機の無い十字路交差点です。

また、十字路交差点の南側66メートル先の交差点には、横断歩道が設置されており信号機による交通整理が行われています。

南北に通る道路は片側1車線の道路で、最高速度は時速50キロメートルに規制されており、幅員は全体で15.9メートルですが、北に向かう方面の車線の幅員は4.1メートル(そのうち、路肩が0.6メートル)、その隣にあるゼブラゾーンの幅員が3.1メートル、中央分離帯が1.5メートル、南に向かう方面の隣にあるゼブラゾーンの幅員が2.6メートル、 南に向かう方面の車線の幅員が4.6メートル(そのうち、路肩が0.6メートル)で、道路の両側には歩道が設けられています。

東西の道路は、車線の区別がない幅員3メートルの比較的狭い道路です。

Bが運転する大型トラックは、午前4時25分ごろに、前照灯(ヘッドライト)を下向きにして、同僚と無線機による交信をしながら大型貨物自動車を運転して、道路を南から北に向かって時速40キロメートル程度の速度で走行してきたところ、無線交信に気をとられて前方の注意を怠り、事故が発生した十字路交差点において、道路を横断中のAをBが運転する大型トラックの左前部に衝突させた。

またBは、Aに衝突した際の衝突音を聞いて、衝突に気が付きました。

なお、交通事故発生当日の日の出の時刻は午前6時24分で、事故当時現場は夜間であり、現場近くには街灯が設置されていましたが、事故後の照射実験では、現場の約63メートル手前ではBが運転する大型トラックの前照灯がないと現場付近に何かいることもわからず、Bの大型トラックの前照灯があれば何かがあることがわかる程度で、現場の約46メートル手前に近づいてきてやっとBの大型トラックの前照灯により現場付近に人がいるのがわかる程度です。

交通事故発生現場付近は、走行してくる自動車から見て、自動車の照明によらず 街灯の明かりのみで明るいといえる状況ではありません。

交通事故の過失

事故が発生した十字路交差点は、横断中の歩行者Aとの衝突事故であるところ、衝突するまでAに気が付いていなかったBには、横断してくる歩行者の有無に対する注意が不十分であった過失がありますが、Aが道路に出てきた当時は、Bが運転する大型トラックが迫っていたことは明らかです。

Aにも十字路交差点の交通状況に対する注意が不十分であった過失があるというべきです。

このような状況と事情に加えて、事故は夜間に生じていること(現場の近くには街灯がありましたが、走行してくる自動車から見て、自動車の照明によらず、街灯の明かりのみで現場が明るいといえる状況であったわけではない)、Bが無線交信に気をとられて前方確認を怠って走行し、衝突するまでAに気が付かなかったことは、運転方法として著しく不適切といわざるを得ないことなどの事情を考慮し、交通事故の専門家(弁護士が介入し、裁判に判決によれば)によれば事故の過失割合は、Aが15パーセント、Bが85パーセントとするのが相当です。

ポイント

大型トラックの前方不注視や十字路交差点の状況から、歩行者にも過失が認められた交通事故です。

歩行者の前方不注視は大きく問題視されますし、また自転車事故も近年高額賠償となる傾向にあります。

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大阪地判平成19年3月28日の判例(交民40巻2号453頁)

交通事故に弁護士が介入した過失割合:歩行者(A)55%・車(B)45%

交通事故の状況

歩行者と自動車の十字路付近横断歩道上の事故の過失割合として、今回の交通事故の認定事実によれば、歩行者との事故は、Bが運転する自動車が道路を北から南に向かって進行していて、青信号に従って事故が発生した十字路交差点を通過しようとした際に、

赤信号を無視して西から東へ向けて横断しようとしていたAにBが運転する自動車の前部が衝突して起こったものとされています。

どうして「されている」と表現されているのかは、事故が発生した十字路交差点付近には、コンビニエンスストア等があり夜間でも人の往来があり、人が行き交うことが十分に予想され、尚且つ事故発生当時の交差点の交通量は閑散とした状態であったため、赤信号であっても、自動車の通行がないと軽信して十字路交差点を横断しようとする歩行者等があり得ることは予見できたのであるからBは、十字路交差点を通過するにあたり、進路前方の安全確認をした上で進行すべき注意義務があるのに、進路前方の安全確認を怠り、十字路交差点手前で車内の時計を注視したまま十字路交差点へ進入し、急制動等一切の回避措置を講じることなく、Aに衝突したのです。

Bには著しい前方不注視の過失があといえますが、しかし事故発生当時は、夜間であり雨が降り始めていたために、運転手からの視界は必ずしも良好とはいえなかったにもかかわらず、Bは漫然と指定制限速度50キロメートル毎時を超える時速60キロメートルの速度で十字路交差点に進入したものであり、速度超過が事故の重大な結果に相当程度寄与していることも否定し難いです。

交通事故の過失

また、Aは十字路交差点の信号機が赤信号であったにもかかわらず、赤信号を無視して十字路交差点を横断しようとしたものであり、事故が発生した十字路交差点の道路は幹線道路であることも考慮すると、Aの赤信号を無視した過失は重大です。

しかし、Aの父母の主張は、Aが赤信号で横断を始めたのは、押しボタン式信号機の「しばらくお待ちください」の表示が点灯しなかったため、信号自体が故障していると誤解してやむを得ずなしたものであると主張しましたが、Aが押しボタン式信号機の押しボタンを押した上で横断を始めたことを認めるに足りる的確な証拠はありませんでしたし、仮にそのような事実があったとしても、Aがコンビニエンスストアを出てから事故が発生した十字路交差点で事故に遭遇するまでの時間に鑑みると、Aが信号待ちをしていた時間はわずかであり、Aがやむなく赤信号で横断を開始せざるを得なかった事情があるとは認められませんでした。

Aの父母の主張は採用されませんでした。

ポイント

事故が発生した十字路交差点の道路状況や事故態様及び結果から、AB双方の過失の態様及び程度、その他に、今回の歩行者と乗用車の十字路交差点の事故に顕れた一切の事情を総合考慮しますと、事故における過失割合は、Aが55パーセント、Bが45パーセントとするのが相当です。

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東京地判平成15年3月27日の判例(交民36巻2号413頁)

交通事故に弁護士が介入した過失割合:歩行者(A)60%・車(B)40%

交通事故の状況

歩行者と乗用車の接触事故が発生した交差点は、北から南へと通じる片側1車線の道路(以下「南北道路」といいます。)と、東から西へと通じる片側1車線の道路(以下「東西道路」といいます。)とが交わる十字路交差点です。

事故が発生した十字路交差点の北側と東側及び西側には横断歩道が設けられおり、そのうち北側の横断歩道(以下「北側:本件横断歩道」といいます。)にのみ、押しボタン式の歩行者用信号機(以下「歩行者用信号機」といいます。)が設置されていて、これに対応する自動車用信号機が十字路交差点の北西角及び南東角の南北:本件道路側に設置されています。

また、十字路交差点の南西角、北西角、北東角はすべて畑で南東角が空き地となっています。

南北道路の両側には、幅員約2.2mの歩道及び幅員約0.6mの路側帯が設置されていて、その車道幅員は片側車線で約2.9mです。

南北道路は、アスファルト舗装された平坦な道路であり、事故当時乾燥していて、最高速度が時速40kmに制限されています。

東西道路は、交差点東側では全体の車道幅員約6.9m、交差点西側では全体の車道幅員約7mとなっており、交差点手前の東側と、西側にそれぞれ一時停止の標示と標識が設置されていて、{以下、東西道路のうち本件交差点より東側の部分を「東側交差道路」西側の部分を「西側交差道路」といいます。}います。

Bの供述は、車両用信号機の青色表示を確認して、確認した供述においては捜査段階から何ら変遷もなく、他の認識地点及び客観的証拠である現場のブレーキ痕開始地点との関係にも何ら不自然な点が認められない上に、Bが青色表示を確認した時点での歩行者用信号機は赤色表示です。

十字路交差点の事故発生時までにその表示が変わっていた可能性は極めて低いといえます。

また、Aが歩行者用信号機の押しボタンを押したと推認することは、推認を覆すに足りる的確な証拠がないことを勘案すれば、Bが青色表示を確認した時点に何ら不自然な点が認められなく、供述は信用できるものというべきです。

交通事故の過失

Bが運転する自動車が事故が発生した十字路交差点を走行している際に、自動車用信号機は青色表示であったと認められます。

そうすると、Bが運転する自動車は、青色表示を確認した地点を通過してから横断歩道北端付近までの地点に約2.2秒で到達することからすれば、仮に、Bが運転する自動車が青色表示を確認した地点を通過した以降にAが歩行者用信号機の押しボタンを押したとしても、Bが運転する自動車が青色表示を確認して、横断歩道北端地点を通過する際には、いまだ歩行者用信号機の表示は赤色であったことになるのですから(歩行者用信号機は押しボタンを押してから6秒間は赤色表示のままです。)、Bが運転する自動車がAに衝突した時点における歩行者用信号機は赤色表示であったと認めるのが相当です。

また、歩行者が押しボタンを押したとすれば、横断歩道の直近に自動車が走行していない状態であればともかく、自動車が迫っている状態で、赤色表示のうちに横断を開始するとはおよそ考えられません。

そして、Bが運転する自動車がAに衝突した時は、歩行者用信号機が赤色表示であったのであるから、Aは押しボタンを押すことなく横断を開始したものと認められます。

したがって、歩行者用信号機の押しボタンが押されていない以上、Bが運転する自動車がAに衝突した時点における車両用信号機は黄色表示にもなり得ず、車両用信号機は青色表示であったと認めるのが相当です。

ポイント

事実関係から、Bが運転する自動車が時速約40kmで事故が発生した交差点に進入しようとしたところ、Bは交通量が少なく歩行者や自転車の姿が見当たらなかったことや、Bが車両用信号機が青色を表示していたことに気を許して、進路前方の安全を十分確認しないまま走行した過失により、交差点内を西方から東方へと横断してきたAの姿を初めて発見したが、急ブレーキをかけるとともにハンドルを右に切ったが間に合わず、Bが運転する自動車がAに衝突させたというものです。

そうすると、事故発生について、Bには前方不注視の過失が存しますが、他方のAにも歩行者用信号機の赤色表示に従わず、横断歩道外を横断して交差点内へと進入した過失が認められますので、Aが事故当時未成年者(児童)であったとしても、事故の発生についてのAの過失は6割と認めるのが相当です。

※今回の事故での児童とは9歳でした。

子供の判断能力として、9歳の児童の過失割合が6割と認められた大きな事故です。

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法律事務所で様々な交通事故の後遺症損害賠償案件に携わってきた経験あり。数々の損害賠償示談交渉、訴訟を前提にした相談・事件処理の裏事情に詳しいため、交通事故に強い弁護士を選ぶ見識力は他のサイトの追随を許さないと自負している。

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