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車とバイクの交通事故を弁護士に相談した過失割合の事例№3

車とバイクの交通事故を弁護士に相談した過失割合の事例№3

東京地判平成18年12月25日の判例(判例秘書)

※一般の方でも読み易くするため、修正を入れています。

※原文を詳細にお読みになる場合、判例検索で閲覧下さい。

交通事故を弁護士に相談した過失割合:バイク「自動二輪車」(A)30%・車(B)70%

交通事故の状況

事故が発生した場所は、南北に走る直線道路(片側1車線)と、東西に走る直線道路(片側1車線)とが交差する交差点で、信号機により交通整理が行われていない、信号機の無い十字路交差点です。

南北に走る道路には、アスフアルト舗装がされた平たんな道路で、車道幅員は約7.4メートルであり、道路の中央には黄色の実線が引かれて交通事故が発生した交差点を貫き、南北に走る道路の両側には幅員約0.7メートルの外側線が引かれ、更にその外側に幅員約2.5メートルないし2.7メートルの歩道が設置されて縁石により車道と区分されています。

南北に走る道路は、最高速度毎時30キロメートルで追越しのための右側部分はみ出し禁止となり、駐車も禁止の交通規制がされています。

東西に走る道路もアスフアルト舗装がされた平たんな道路で、衝突事故が発生した交差点よりも東側の部分においては、車道幅員は約6.7メートルであり、東西に走る道路の両側には約0.3ないし0.9メートルの外側線が引かれ、その南側に幅員約1.4メートルの歩道が設置されてガードパイプにより車道と区分されています。

東西に走る道路には、一時停止があり最高速度毎時30キロメートル、駐車禁止の交通規制がされています。

東西に走る道路の西から東みて交差点の入口には横断歩道が設けられています。

交通事故が発生した交差点の付近には、一般民家や商店等が建ち並ぶ住宅街で、交通量は一般的です。

なお、事故が発生した詳細は、Aが乗るバイク「自動二輪車」が南北に走る道路を南から北方面に向かい時速約60キロメートルで走行し、交差点に差しかかろうとした際に、交差する東西に走る道路の西から交差点を右折してくるBが運転する自動車を発見したことから、急制動の措置を講じたところ、Aが運転するバイク「自動二輪車」は、転倒して滑走しBが運転する自動車と衝突した後に、更に滑走して停止しました。

南北に走る道路の路面には、Aが運転するバイクのタイヤによるスリップ痕が(約7.6メートル、急制動によってタイヤが拘束された結果生じたものと推定されます)、更にタイヤ痕(約2.4メートル、転倒途中のタイヤによるものと推定されます)のほかに(スリップ痕の終端とタイヤ痕の始端との間の距離は約4メートル)、衝突までの擦過痕(さっかこん=ブレーキ痕等)(約5.1メートル、転倒したAが運転するバイクの右側面のクランクカバー、ハンドル、ミラーステーなどによるものと推定されます)、衝突後の擦過痕(約l.2メートル及び約1l.0メートル)が残されていました。

他方のBも自動車を運転して、東西に走る道路を二西から東方面に向かい走行中、交差点を右折して南北に走る道路を南へ向かおうとして、右折の合図を出し約22メートル進行して交差点の手前に標示された停止線付近に一旦停止したところ、高さ約1.9メートルの民家の石垣又はブロック塀によって左右の見通しが悪く、南北に走る道路の左方の状況は、交差点の手前の右角に設けられたカーブミラーで確認することができたものの、右方の状況は停止線の付近では確認することができず、発進して約7.1メートル進行し、右方が見通せる横断歩道上(Aが運転するバイクの前部が南北走る道路上に少し出ていた)に再び停止しました。

Bは目視で右方を確認すると、約84メートル先を走行中のAが運転するバイクを発見したものの、これだけの距離があれば安全に右折を完了することができると考えて右折を開始し、約6.2メートル進行したところ、約29.1メートル右方にAが運転するバイクが接近してくるのを認めて危険を感じて、ブレーキをかけたものの約2.6メートル進行してAが運転するバイク「自動二輪車」と衝突しました。

衝突した場所は、Aのバイクの走行車線とその外側の歩道との境界から約4.1メートル離れた地点です。

なおBは、交差点を頻繁に車両で右折しており、その状況等をよく知っています。

交通事故の過失

事実関係によると、Aはバイクを運転して、南北に走る道路を南から北に向かい走行していて、交差点を直進通過しようとするに当たり、前方を注視するとともに適宜速度を調節して、交差する東西に走る道路から交差点を右折する車両の有無及びその動静を確認すべき義務があるのにこれを怠り、漫然と時速約60キロメートルで交差点を直進通過しようとした結果、交通事故の発生を招いたということができ、交通事故の発生につき相当の落ち度があるというべきであるところです。

ポイント

Aの過失割合はAが運転するバイク「自動二輪車」が制限速度を30キロメートル以上超過していました。

一方、Aは優先道路を走行していたほか、BはAのバイクの動静、速度等を十分に確認することなく漫然と右折を開始した結果、交通事故を発生させたということができるなど事実関係を考慮すると、過失割合をAが30%、Bが70%と認めるのが相当です。

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東京地判平成23年11月25日の判例(自保ジャーナル1864号165頁)

交通事故を弁護士に相談した過失割合:車(A)70%・バイク「自動二輪車」(B)30%

交通事故の状況

右折の車「普通乗用車」と直進バイク「自動二輪車」の交通事故でその状況は、東西に走る道路と、南北に走る道路が交差する十字路交差点です。

交通事故が発生した交差点は、信号機による交通整理が行われており、交差点の四方に横断歩道が設けられています。

交差点から見て四方の状況は、西から東へ向かうBのバイクの進行方向が4車線(車道幅員11.7m)、バイクの反対方向が3車線となっています。

東から西へ向かうAが運転する自動車の進行方向が4車線(車道幅員11.3m)、車の反対方向が3車線となっています。

東西の道路の最高速度は時速60km、南北の道路が時速50kmに制限されています。

交通事故が発生した交差点を挟んだ住変の状況は全方向へ視通は良好です。

Aは、友人を助手席に乗せたAが自動車を運転して、東西に走る通りを西へ向かって走行していて、交差点を右折して北へ向かうために、交差点の手前で中央分離帯に接している最も北側の第4車線(右折専用車線)に入いりました。

Aは、交差点で右折待ちの前を走る先行車両に続いて一時停止し、右折先の横断歩道の歩行者や対向車線の直進車の通過待ちをした後に、青右矢印信号に従って発進し、先行車両に続いて右折を開始しました。

Aは、Bが乗るバイクのブレーキ音を聞くまでBのバイクに気付いていないのです。

Bは、バイクを運転して、東西に走る通りを東へ向かう4車線のうち第3車線(直進用車線)を時速50~60km(秒速約13.9~16.7m)の速度で走行しており、交差点をそのまま直進して通過しようとしました。

Bは、交差点の手前で対面信号が青信号であることをいったん確認して進行した後に、接触事故が発生した地点×から約48m手前です。

Bから見て横断歩道の停止線から約16m手前において、交差点の対面信号を確認したところ、黄色信号に変わっていましたが、横断歩道の停止線までの距離やBのバイクの走行速度からみて横断歩道の停止線に安全に停止することはできないとBは判断し、道路交通法施行令2条1項2号但し書きに従って、そのまま交差点に進入しました。

Bは、接触事故が発生した×地点から約32m手前の位置で、Aの車に先行する対向右折車の動きに気を取られて脇見をしていて、前方を注視していませんでした。

Bは、そこから更に約10m進行して、接触事故が発生した×地点から約22m手前で交差点に進入する直前の位置に至ってから、右折しようとしているAの車を発見し、危険を感じて急ブレーキをかけたが間に合わず、Bの乗るバイクはAの運転する車と衝突して転倒しました。

Aが運転する自動車とBが運転するバイク「自動二輪車」が衝突した場所は、×の地点でBのバイクの前部がAが運転する自動車のリアパンパ一等に衝突しました。

交通事故の過失

認定事実によれば、Bが対面信号が青信号から黄色信号に変わっているのを確認した地点から停止線までは約16mであり、Bのバイクの速度時速50~60㎞、秒速約13.9~16.7mに照らして、Bのバイクはこの距離を進行するのに1秒前後を要すること、Bが対面信号が黄色信号に変わっているのを確認した地点から衝突地点×までは約48mであり、Bのバイクの速度及びBが途中で急制動の措置をとっていることからみて、Bが上記の距離を走行するのに3秒程度は要したことになることが認められ、信号表示のサイクルを併せ考慮すると、Bは対面信号が黄色信号で交通事故が発生した交差点に進入し、Aの車とBのバイクが衝突したのは、Bのバイクの対面信号が赤信号に変わった直後となります。

よって、Aの車の対面信号が青右矢印信号に変わった直後であったと認めるのが相当です。

Bは、進行方向にある交差点の対面信号が青信号であるのをいったん確認した後、黄色信号に変わっているのを認めながら交差点に進入した。

Bは、対面信号が黄色信号に変わった瞬間は確認していなかったものの(Bは、本人尋問において、対面信号が青信号から黄色信号に変わる瞬間を見たと供述しましたが、実況見分の際にはそのような指示説明はしていないことと信号表示のサイクルを考慮すると、Bの供述は採用し難い)、黄色信号に変わっているのを確認したのは交差点の停止線の手前約16mの位置であり、停止線までの距離やBのバイクの走行速度から見て、停止線に安全に停止することはできないものと判断して、道路交通法施行令2条1項2号但し書きに従って交差点にそのまま進入した。

それにもかかわらずBは、Aに先行する対向右折車に気を取られて脇見をしており、前方注視を怠ったこと、そのためにBは、右折しようとしているAが運転する自動車の発見が遅れ、またAが運転する自動車を発見して直ちに急制動の措置をとったが、間に合わずBのバイクとAが運転する自動車が衝突したことが認められます。

一方、Aについては、自動車で右折する際に、対向車線の車両を注視していなかった。

Aは、右折する際に、先行右折車両に続いて早回りで右折しており、対面信号がいつ青右矢印となり、いつまで続いていたかを確認していなかったことが認められます。

そうすると、BもAの双方とも、前方注視を怠りその結果、相手方車両の動静を十分確認せず衝突を回避することができなかった過失があるというべきです。

ポイント

交通整理の行われている信号機の有る交差点において、Bのバイクは黄色信号で進入が許される直進車であり、Aの車はこれに劣後する右折車であるということを基本として考えるべきであり、双方において前方注視義務を怠った点等や状況から認定した諸事情を併せ考慮すると、交差点の事故に関する過失割合については、Bが30%、Aが70%と認めるのが相当です。

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東京地判平成21年5月12日の判例(判例秘書)

交通事故を弁護士に相談した過失割合:バイク「自動二輪車」(A)100%・車(B)0%

交通事故の状況

バイクと自動車の事故で、Aはバイクに乗り南北道路を北から南に進行していました。

Bは、自動車「普通乗用車」で事故現場付近のコンビニエンスストアで買物をした後に、Bが保有する車をBが運転して、事故現場となる交差点を右折して、自宅に向かっていました。

交通事故が発生した交差点は、信号機の設置がある信号機による交通整理が行われている交差点であり、AのバイクとBの自動車ともに、前後方向の見通しはよいものの左右方向の見通しは不良でした。

交通事故の過失

事故が発生した交差点周辺の事情を総合して考えるとBは、事故後一貫して、Bは信号機が青色であることを確認して交差点に進入したと述べていることに加え、Bの動きを目撃した人物の目撃状況からしても、Bが信号機の青色表示を視認して走行した時間と、事故の発生後にBが信号機の青色表示を見るまでの時間を加えても、信号機の青色の表示時間内に十分に入っていることや、Bの車の走行速度に関する供述等を考えると、Bの供述等は信用できるといえます。

確かに、Aが指摘するように、Bが信号機が赤色表示であるところに交差点に進入したとしても、その後に信号機が青色表示になって、Bがそれを見た可能性も否定はできませんが、事故が発生した交差点は交通量の多い道路であり、Bに特段急ぐ事情も見受けられないBが時速40キロメートルで進行しながら、わざわざ赤色信号を無視して進行したとは到底考え難いことも併せ考慮すると交通事故は、Bが主張するように、対面信号青色表示にしたがって進行しているところに、Aのバイクが衝突したと認められます。

Aは、交通事故に関して自賠責保険が支給されていることも、信号の色が判然としない点を表すものと主張しましたが、自賠責保険は、被害者の保護及び救済並びに大量事案の公正・迅速な処理の要請に基づく判断をしているものと考えられるから、その取扱で判断を左右するものではありません。

ポイント

交差点で発生した事故により、B保有の車との衝突でAが死亡しているもののBは、その対面信号が青色表示の下で交差点に進入しており、Aは対面信号機が赤色表示で交差点に進入したというべきであるから、事故の発生につきBに過失があるとはいえません。

Aに過失があり、その他Bの車にも構造上の欠陥又は機能の障害の存在はうかがえないからBには自賠法3条ただし書きによる免責が認められて、事故の責任を負わないというべきです。

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法律事務所で様々な交通事故の後遺症損害賠償案件に携わってきた経験あり。数々の損害賠償示談交渉、訴訟を前提にした相談・事件処理の裏事情に詳しいため、交通事故に強い弁護士を選ぶ見識力は他のサイトの追随を許さないと自負している。

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